自宅でできるセルフケアとアヴィヴァ・メソッド
「生理が始まったら、またこの痛み……」
下腹部がぎゅっと締めつけられるように痛んだり、腰まで重くなったり。
仕事や家事、学校など、いつものことさえつらく感じる日もありますよね。
生理痛があると、「薬を飲んで、ただ痛みが過ぎるのを待つしかない」と思っている方もいるかもしれません。
でも、痛みがあるときに自宅でできるセルフケアはいくつかあります。
温めること、ゆっくり呼吸すること、体を楽な状態にすること。
そして、アヴィヴァ・メソッドには、生理痛が出ているときにも取り入れられる動きがあります。
このページでは、今まさに生理痛がつらいときにできることと、痛みが強くなりやすい時期に向けてできるケアをご紹介します。
まずは、痛みを無理に我慢しない
生理痛は、子宮が収縮するときに起こる痛みです。
特に、プロスタグランジンという物質が多く関わっており、子宮の収縮が強くなることで、痛みも強く感じられることがあります。
下腹部の痛みだけでなく、腰や太ももの痛み、吐き気、頭痛、疲労感などを伴うこともあります。
だからこそ、
「生理だから仕方ない」
「毎月のことだから我慢しなければ」
と、痛みを我慢し続ける必要はありません。
まずは今の体の状態を感じながら、できることから始めてみましょう。
今、生理痛があるときにできること
1.下腹部や腰を温める
生理痛があるときのセルフケアとして、まず取り入れやすいのが「温めること」です。
湯たんぽ、温熱パッド、カイロなどを利用して、下腹部や腰を心地よく温めてみましょう。
温熱療法は、生理痛を軽減する方法の一つとして研究されており、痛みが出ているときにも役立つ可能性があります。
温めながら、ゆっくり休む。
それだけでも十分です。
「何かしなければ」と頑張るのではなく、まずは体がほっとできる状態をつくってあげましょう。
2.ゆっくり呼吸して、体の力を抜く
痛いときは、知らないうちにお腹や肩に力が入っていることがあります。
そんなときは、無理に深く吸おうとせず、ゆっくり息を吐くことを意識してみましょう。
肩を下げる。
お腹を締めつけない。
ゆっくり吐いて、自然に息を吸う。
数分間、そんな呼吸を続けるだけでも、体を少し落ち着かせる時間になります。
3.アヴィヴァ・メソッド|痛いときにも取り入れられる動き
アヴィヴァ・メソッドは、骨盤まわりを中心に、リズミカルな動きやストレッチなどを取り入れた、女性のための運動メソッドです。
普段から継続して行うことで、骨盤まわりの「めぐり」をサポートし、女性の体が本来持っている自然なリズムを整えていくことを目指します。
そして、アヴィヴァの18の基本エクササイズの中には、生理痛が出ているときにも取り入れられる3つの動きがあります。
それが、
4番・6番・13番のエクササイズです。
ここでは、具体的な動き方まではご紹介しません。
アヴィヴァ・メソッドは、ただ動きを真似するだけではなく、体の状態を感じながら、正しく安全に行うことも大切だからです。
レッスンでは、一人ひとりの体の状態を確認しながら、動き方や力の入れ方などを丁寧にお伝えしています。
痛みが出てからでも大丈夫?
はい。
この3つのエクササイズは、生理痛が実際に出ているときにも取り入れることができます。
もちろん、痛みの原因や体の状態には個人差があります。
それでも、アヴィヴァ・メソッドを実践している女性の中には、これらの動きを行うことで、5~10分ほどで痛みがやわらいだと感じる方がいます。
私自身もその一人です。
また、娘や、私たちインストラクターの生徒さんたちからも、
「痛みが軽くなった」
「動いているうちに楽になってきた」
という声を聞いています。
ただし、これはあくまで個人の体験であり、すべての方に同じ効果が得られることを保証するものではありません。
大切なのは、自分の体がどう反応するのかを感じながら行うことです。
アヴィヴァ・メソッドは、研究でも生理痛との関係が調べられています
アヴィヴァ・メソッドと生理痛との関係については、科学的な研究も行われています。
2024年に医学誌 Medicina に掲載されたコヴァーチ・ゾルターン博士らの研究では、原発性月経困難症(primary dysmenorrhea)の女性78人を対象に、アヴィヴァ・エクササイズを継続して行ったグループと、行わなかった対照グループを比較しました。
アヴィヴァを行ったグループは、週2回、1回30分の運動を継続しました。
その結果、月経痛の変化について両グループの間に統計的に有意な差が認められ、アヴィヴァを行ったグループでは、対照群と比べて月経痛の軽減がみられました(p < 0.001)。
研究者らは、アヴィヴァ・エクササイズが原発性月経困難症の痛みの軽減に寄与する可能性があると結論づけています。
ただし、この研究は前向き観察研究で、観察期間も比較的短く、参加者自身が運動を行うグループを選択する方法でした。
そのため、研究者らも、今回の結果は予備的なものであり、今後さらに大規模な臨床研究で確認する必要があるとしています。
つまり、
「アヴィヴァを続けることで、生理痛が軽くなる可能性がある」
という科学的な裏付けが少しずつ積み重ねられている段階なのです。
痛くなってからではなく、数日前から始める
実は、この3つのエクササイズは、痛みが出てからだけでなく、生理が始まる5~6日前くらいから行うこともできます。
「そろそろ生理が来そう」
そんな時期に、1日数分程度、無理のない範囲で行ってみましょう。
人によっては、生理が始まってからの痛みがいつもより軽く感じられたり、痛みが強くなる前にケアできたりすることがあります。
そして、さらに大切なのが、生理前だけに行うのではなく、普段からアヴィヴァ・メソッド全体を継続することです。
研究で行われたアヴィヴァ・エクササイズも、週2回、30分を継続する方法でした。今回の研究では、継続的な実践と月経痛の軽減との間に有意な差が認められています。
「痛くなったときのための3つ」から始めて、少しずつ普段の習慣へ。
そんな取り入れ方もできます。
生理痛がある日は、「動く」か「休む」か
生理中だからといって、必ず運動しなければいけないわけではありません。
痛みが強い日や、出血量が多い日は、体を休ませることも大切です。
一方で、
「少し動いたほうが楽かもしれない」
と感じる日もあります。
そんなときは、散歩や軽いストレッチ、やさしいヨガなど、無理のない動きを選んでみましょう。
大切なのは、
「生理だから動かなければ」でもなく、
「痛いから絶対に動いてはいけない」でもありません。
今日の自分の体にとって、どちらが心地よいか。
そこに耳を傾けてみましょう。
痛み止めを使ってはいけない、ということではありません
ここで大切なことを一つ。
自然なセルフケアを紹介していますが、「痛み止めを使わないほうがいい」という意味ではありません。
痛みが強いときには、必要な薬を適切に使うことも大切です。
セルフケアは、薬の代わりとして我慢するためのものではなく、
「自分でできることをもう一つ増やす」
という考え方で取り入れてみてください。
温める。
呼吸する。
体を休ませる。
必要に応じて薬を使う。
そして、普段から体を動かしておく。
その人に合った方法を組み合わせていくことが大切です。
こんなときは、婦人科へ
セルフケアで様子を見ることができる生理痛もありますが、強い痛みを「生理だから」と毎月我慢する必要はありません。
次のような場合は、婦人科などの医療機関に相談しましょう。
- 以前より痛みが強くなってきた
- 痛みで仕事や学校、日常生活に大きな支障がある
- セルフケアや市販薬を使っても痛みが強い
- 出血量が非常に多い
- 生理中以外にも骨盤周辺に痛みがある
- 性交時や排便時にも強い痛みがある
- 今までとは違う、突然の強い痛みがある
このような症状の背景には、子宮内膜症や子宮筋腫など、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。
自分で体を整えることと、痛みを我慢することは同じではありません。
必要なときには、医療の力も借りましょう。
おわりに
「痛いのが当たり前」から、少しずつ卒業するために
毎月の生理。
痛みがあるたびに、
「また始まった……」
と、ただ耐えるのではなく、
「今の私の体には、何が必要かな?」
と考えてみる。
温めてあげる。
ゆっくり呼吸する。
休ませる。
必要なら薬を使う。
そして、できるときには体を動かす。
そんな小さな選択の積み重ねが、自分の体との付き合い方を変えていくことがあります。
アヴィヴァ・メソッドには、生理痛が出ているときにも取り入れられる動きがあります。
そして、痛みがない時期にも、普段から体を動かしておくことができます。
「痛くなったらどうする?」だけではなく、
「痛くなりにくい体のために、普段から何ができる?」
そんな視点を持つことも、自分の体を大切にする一歩です。
めぐりの灯りでは、アヴィヴァ・メソッドを通して、女性が自分の体の声に気づき、無理なく自分自身の体を整えていけるようサポートしています。
毎月の生理を、ただ我慢する時間ではなく、自分の体と向き合うきっかけに。
小さな一歩から、一緒に始めてみませんか。


