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生理痛が強いのはなぜ?

月経痛の原因を科学的に知る

 

「今月は、いつもより生理痛が強い気がする」

そんな経験はありませんか?

生理痛は、ほとんど気にならない程度の方もいれば、仕事や学校、睡眠にまで影響するほど強く感じる方もいます。

同じように毎月起こる生理なのに、なぜ痛みの強さにはこれほど個人差があるのでしょうか?

研究によると、月経のある女性の約50~90%が、人生のどこかで月経困難症を経験するとされています(Ju et al., 2014)。

その痛みの強さに関係する重要な要素の一つが、プロスタグランジンです。

生理痛とプロスタグランジンの関係

生理が始まると、子宮内膜がはがれ、体の外へ排出されます。

このときに作られるのが、プロスタグランジンという物質です。

プロスタグランジンには、子宮を収縮させる働きがあります。

適度な収縮は月経に必要ですが、プロスタグランジンが多く作られると、子宮の収縮が強くなり、生理痛も強く感じられることがあります(Dawood, 2006)。

では、なぜ人によってプロスタグランジンの量や痛みの感じ方が違うのでしょうか?

いくつかの要因が関係しています。

生理痛の強さに関係する5つの要因

1.子宮内膜の状態

プロスタグランジンは、月経時に子宮内膜が変化するときに作られます。

そのため、子宮内膜の状態や月経時の炎症反応などが、プロスタグランジンの産生や生理痛の強さに関係すると考えられています。

2.炎症反応やストレス

プロスタグランジンは、体内の炎症反応にも関わる物質です。

慢性的なストレス、睡眠不足、食生活など、さまざまな要因が体の炎症反応や痛みの感じ方に影響する可能性があります(Lacovides et al., 2015)。

もちろん、「ストレスがあるから生理痛になる」という単純な話ではありません。

体と心は互いに影響し合っているという視点が大切です。

3.ホルモンの働き

エストロゲンやプロゲステロンは、月経周期を通して子宮内膜の変化に関わっています。

そのため、ホルモンの働きや周期による変化も、月経時の痛みや体調に影響する要因の一つと考えられています。

4.子宮の収縮に対する感じ方

同じ程度の子宮収縮でも、痛みの感じ方には個人差があります。

子宮の筋肉がプロスタグランジンにどのように反応するか、また痛みを感じる神経系の状態なども、生理痛の強さに関係します。

5.子宮周辺の血流

強い子宮収縮が起こると、子宮の筋肉にある血管が一時的に圧迫され、血流が低下することがあります。

その結果、組織に酸素が十分に届きにくくなり、痛みにつながると考えられています(Lacovides et al., 2015)。

このことからも、骨盤周辺の血流を保つことは、生理痛を考えるうえで一つの大切な視点になります。

 

生理痛が強くなりやすい人には、共通する傾向も

研究では、次のような要因が月経困難症のリスクと関連することが報告されています(Ju et al., 2014)。

若年であること

初経年齢が早いこと

月経量が多いこと

家族歴があること

喫煙

ストレスが強いこと

運動不足

ただし、これらに当てはまるからといって、必ず生理痛が強くなるわけではありません。

一人ひとりの体には、それぞれの特徴があります。

 

「いつもの生理痛」と思っていても、病気が隠れていることがあります

生理痛の中には、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの病気が原因となっているものもあります。

特に、

年々痛みが強くなっている

以前はなかった強い痛みが出てきた

痛みで日常生活に大きな支障がある

月経以外の時期にも骨盤周辺が痛む

出血量が非常に多い

といった場合には、「生理だから仕方ない」と我慢せず、婦人科などの医療機関に相談することが大切です。

 

では、運動は生理痛にどう関係するのでしょうか?

ここまで見てきたように、生理痛には、

子宮の収縮
炎症反応
血流
筋肉の緊張
痛みを感じる神経系

など、さまざまな要素が関係しています。

そのため、日頃から無理のない範囲で体を動かすことは、生理痛をケアするための一つの方法になります。

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの継続的な運動が、月経痛の軽減に役立つ可能性についても研究されています。

そして、ここで注目したいのが、骨盤まわりを意識した運動です。

 

アヴィヴァ・メソッドと生理痛

アヴィヴァ・メソッドは、骨盤まわりを中心に、リズミカルな動きやストレッチなどを取り入れた、女性のための運動メソッドです。

普段から継続して行うことで、骨盤まわりの「めぐり」をサポートし、女性の体が本来持っている自然なリズムを整えていくことを目指します。

生理痛についても、アヴィヴァ・メソッドを用いた研究が行われています。

ハンガリーの研究者コヴァーチ・ゾルターン 博士らによる2024年の研究では、アヴィヴァ・メソッドによる運動介入が、原発性月経困難症の女性の痛みの軽減や身体感覚にどのような影響を与えるかが調査されました(Kovács et al., 2024)。

さらに、2025年の博士研究では、アヴィヴァ・メソッドと月経前症候群(PMS)、原発性月経困難症、身体感覚(ボディ・アウェアネス) 、子宮動脈の血流などとの関係について、より幅広い検討が行われています(Kovács, 2025)。

もちろん、アヴィヴァ・メソッドだけですべての生理痛が解決するわけではありません。

それでも、「痛くなったら対処する」だけではなく、普段から骨盤まわりを動かし、自分の体を整えていくという考え方には、研究からも注目すべき点があります。

 

生理痛は「我慢するもの」ではなく、体を知るきっかけに

生理痛の強さには、プロスタグランジン、子宮の収縮、炎症反応、血流、ホルモン、神経系など、さまざまな要素が関係しています。

だからこそ、

「どうして私はこんなに痛いんだろう?」

と自分を責める必要はありません。

まずは自分の体の変化に気づくこと。

そして、普段の生活の中で、少しずつ体を動かし、休み、整えていくこと。

アヴィヴァ・メソッドも、そのための一つの選択肢です。

めぐりの灯りでは、女性が自分の体の声に気づき、自分自身の体を大切にできるよう、アヴィヴァ・メソッドを通してサポートしています。

毎月の生理痛を、ただ我慢するものにしない。

まずは、自分の体を知ることから始めてみませんか。



【監修】

デメテル・ズィタ

生物学博士

認定アヴィヴァ・メソッド インストラクター

グローバルにアヴィヴァ・メソッドの指導を行いながら、女性の健康やホルモンバランスに関する専門的な知見をもとに、本記事の監修を担当しています。

 

【編集・日本向け構成】

リヒテンシュテイン・ノエミ

認定アヴィヴァ・メソッド インストラクター

日本でアヴィヴァ・メソッドの指導を行いながら、日本の読者に向けて内容の再構成・編集・ローカライズを担当しています。



参考文献

Dawood, M. Y. (2006). Primary dysmenorrhea: Advances in pathogenesis and management. Obstetrics & Gynecology, 108(2), 428–441.

Iacovides, S., Avidon, I., & Baker, F. C. (2015). What we know about primary dysmenorrhea today. Human Reproduction Update, 21(6), 762–778.

Ju, H., Jones, M., & Mishra, G. (2014). The prevalence and risk factors of dysmenorrhea. Epidemiologic Reviews, 36(1), 104–113.

Kovács, Z., Atombosiye, E., Hegyi, G., & Szőke, H. (2024). The effect of Aviva exercise intervention on pain level and body awareness in women with primary dysmenorrhea. Medicina, 60(1), 184.

Kovács, Z. (2025). The effects of Aviva exercise on premenstrual syndrome symptoms, primary dysmenorrhea, body awareness and uterine artery circulation. PhD research program, University of Pécs.

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